厨房のドアを開けたい。
ドアノブを回して手前に引くだけの事が、
今の僕にはできない。
まるで、蛇に睨まれたカエルのように、
ドアノブに手をかけた状態から動くことができない。
ドアを開けたら厨房に充満しているガスが爆発するかもしれない。
なんてことを思っている訳じゃない。
でも、僕にはそれ以上に危ないことが起こるような気がするんだ。
今僕の目線の先には、
一匹の猫がいる。
そう。
ドアの前に。勇気を出してドアを少し開けてみる。心の中で頼むからこっちを見ないでくれと、
何度も何度も祈りながら。
でも、僕の願いは叶わなかった。うわぁぁっぁぁぁ!
そんな瞳で見つめないでくれぇぇぇぇ!
惚れてまうやろーーー⊂⌒~⊃。Д。)⊃ばたっ……